コラム
保育園実習と幼稚園実習の違いってなに？
養成校で保育士資格や幼稚園教諭免許を取得するには、それぞれ保育実習と幼稚園実習を行わなくてはいけません。
実習を受ける上で、保育園実習と幼稚園実習は何が違うのか理解しておきましょう。
それぞれの特徴やニーズを知っているだけでも、実習に役立てることができますよ。
「保育園」と「幼稚園」の違い
まずは「保育園」と「幼稚園」の違いから整理していきます。
保育士や幼稚園教諭を目指すならしっかり覚えておくなくてはいけない点です。
・管轄している場所
保育園は「厚生労働省」の管轄で、児童福祉法第7条に基づいて従事します。
また、幼稚園は「文部科学省」の管轄となり、学校教育法第1条に基づいているという違いがあります。
・役割
保育園は「保護者の就労等により保育に欠ける乳児又は幼児等を保育する」ことが目的とされています。
幼稚園は「満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児を対象に教育を行う学校」と記されています。
・保育時間
保育園は「8時間を原則とし、保育所長が定める(約300日)」とされており、幼稚園は「4時間を基準として各園で定める(39週以上)」となっています。
幼稚園に比べ、保育園は保育時間が長いです。
・保育の対象年齢
保育園は「0歳児から小学校就学前」まで、幼稚園は「満3歳児から小学校就学前」までです。
保育園の0歳児入園は生後何ヶ月から入園可能かは園によって異なります。
「保育園実習」と「幼稚園実習」の違い
保育園と幼稚園の違いを改めて理解した上で、保育園実習と幼稚園実習の違いを分かりやすくお教えしていきます。
実際に実習を行う前に、確認しておくと安心できますよ。
・実習期間
【保育園】保育園での実習を2回、児童養護施設や知的障害者施設などの施設実習を1回行います。
1回の実習期間は2週間を目安に設定されますが、前期後期で期間を分けたり、短期間でまとめて行う場合もあり大学、短大、専門学校によって違いがあります。
【幼稚園】幼稚園での実習を1回行い、実習期間は4週間を目安に設定されています。
保育園実習と同じく、前期後期で期間を分けたり、子どもたちと深く関わるために4週間まとめて実習を行うなど、学校によって違いがあるようです。
・実習の目的、目標
【保育園】主に0〜2歳児と関わることができる乳児の保育実習は、保育時間が長くなるため観察や記録が大切になってきます。
保育時間が長いということは、子どもと接する時間が多くなるということです。
保育士の動き一つ一つを観察し、どのように動くと良いのか考えていきましょう。
【幼稚園】3歳から6歳までの子どもを担当するため、幼稚園における「ねらい」でもある教育的な実習内容が多くなります。
設定保育では、子どもの年齢に合った内容か、発達段階に見合った教材かなど指導案をもとに実習を行なっていきます。
・1日の流れの例
【保育園】保育園自体は早朝の7時以降から登園可能なところが多いです。
実習生は早番や遅番それぞれの時間を振り分けられるかもしれません。
登園から登園完了の9時頃までは、自由遊びの時間で子どもたちと一緒に遊びます。
9時以降は各クラスにて朝の会や設定保育が始まります。
11時半前後に昼食があり、実習生は食事介助や着替えの介助をします。
12時半前後から15時まで午睡時間となります。午睡中に設定保育で使うものの製作準備や、日誌を書きます。
15時になると、おやつの時間で食事介助を行い、その後は自由遊び、順次降園という流れです。
【幼稚園】8時以降から、園バスに乗って登園する子や徒歩通園の子を受け入れ、自由遊びの時間です。登園完了は9時半前後で、朝の会やクラスでの設定保育が始まります。
12時前後に昼食があり、実習生は食事介助や着替えの介助をします。保育園とは違い、給食だけでなくお弁当の日もあるので、実習生も同じような食事を取ることになります。
昼食後は自由遊びで子どもたちと遊び、13時半以降順次降園となります。
預かり保育の子がいる場合は一緒に遊んだり、介助を行います。
退勤時間の17時頃まで、実習の反省会や指導案の確認、製作準備など事務作業にあてる時間があるのが幼稚園実習の特徴です。
まとめ
保育園実習と幼稚園実習の違いをお話ししてきました。
保育園と幼稚園自体がそれぞれ管轄や保育時間などが違うので、自ずと実習内容にも違いが出てきます。
保育園、幼稚園共にどのような「ねらい」があって過ごしているのかを意識すると良いですね。
担当クラスによって保育内容はガラッと変わるので、乳児クラスも幼児クラスも楽しんで学んでいきましょう！
